家庭動物の避妊去勢手術のデメリットと対策 つづき

少し前に記した避妊去勢手術についての補足について、
特にデメリットと、当院での対策についての続きを書きます。
(「避妊」と「不妊」、どちらがよいとおもいますか?)

  *個別のすべての例にあてはまるとは限りません。
  *手術に関するすべての危険性を網羅しているわけではありません。
  *実際の治療、手術に当たっては必ず担当の獣医にご確認下さい。


まず「術後のホルモンバランスの変化に伴う問題」について






これは代表的なものが2つあると思います。
1つは「体重の増加」、もう一つは「尿失禁」です。

体重の増加については「必ず太る」という訳ではありません。
術前と同じ食餌で同じ量だと、太ってしまうこともあるかもしれません。
食餌を適切に管理すれば、肥満は予防できると思います。

当院でもこの点についてはよくお話し、食餌計画をたてることもあります。
しかし、「すごく食べたそうになる」といことはあるかもしれません。

もう一つ、生後6ヶ月ほどで手術した場合、子犬子猫用フードでは
肥満のリスクが高くなると思います、ご注意ください。


最後に「飼主家族の心理的あるいは倫理的問題」について

まずこの手術にについては絶対しなければならない、
してはならない、というものではありません。

野ネコや自由に外出する雄猫などでない、家庭動物の場合
ご家族の希望が最大限尊重されるべきものだと思います。

国によっても事情は異なるようです。

さだかではありませんがヨーロッパの一部の国では
繁殖防止を目的とした手術を禁じているようですし
アメリカの一部の州では一般の家庭には手術を義務づけているようです。

ひとつ僕が皆様にお話しするのは
家庭動物はすでに野生ではないということです。

何が「自然」であるのかについては、よく考えてみる必要があると思います。
by petclinico | 2010-03-20 17:30 | 避妊去勢手術について

湘南藤沢・鎌倉地域で診療している動物病院、ペットクリニック大橋の院長ブログです。“より良く、より長く”どうぶつ達と皆様の“暮らしの健康”を守るお手伝いをいたします。


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