ペットクリニック大橋 院長のブログ

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動物の緩和ケアこそ僕たちの主戦場です。

<動物の緩和ケア1>
緩和ケアこそ僕たちの主戦場

誤解を恐れずにいえば、緩和ケアこそ動物病院にとって最も重視すべき分野だと思っています。同業の方だけでなく一般の方からも、そんなことないだろ、病気の予防は?病気の根治(完全に治すこと)は?それができなくて、どうしようもない時が緩和ケアだろ、という声が聞こえてきそうです。

一方、緩和ケア?そんなの常識だろ、手術時や慢性関節炎に鎮痛剤を使う、がん動物の痛みを管理する、そんなの今やあたりまえだ、とも。でもそういう技術を積極的に導入することと「緩和ケアこそ僕たちの主戦場だ」と考えて診療することは似ていても異なることだと思います。

何が違うんだ?

またまた誤解をおそれず端的にいえば、動物の存在への畏怖の念の有無だと思いますが、
書いてて僕もちょっと考え中です。もうちょっと良い言い方がないものかと。


よく参考にする本に「緩和ケアマニュアル 第5版」(淀川キリスト教病院ホスピス編 最新医学社)という本があります。

ヒトの医学書ですが、好きな本というと変ですが、「主戦場」にしている医療施設の方に向けた本で、動物に適用するには注意が必要ですがとても参考になり、心うたれます。(ぼくたちはもちろん「ホスピスごっこ」をしようとしている訳ではありません。)

今後このブログで僕が「緩和ケアマニュアル」と書くときはこの本のことです。


この本の最初に、人がん患者のホスピス入院時の多くみられる主訴(患者の訴え)がしるされています。以下多い順です、パーセントは省略します。

1. 痛み 2. 食欲不振 3. 全身倦怠感 4. 腹部不快・膨満感 5. 呼吸困難
6. 吐気・嘔吐 7. 咳・痰 8. 不眠 9. 便秘 10. 意識障害
11. 嚥下困難 12. 浮腫 13. 口渇 14. 頭痛 15. 歩行困難

これらの症状は緩和ケアの対象だということもできます。3.や13. 14.などは口のきけない動物ではわかりにくいかもしれませんが、注意深い観察により「動きが少ない」「水を良く飲む」というかたちでお家の方が気づくでしょう。

この順番がそのまま動物にあてはまるかもわかりませんが、これらの症状がよくみられ生活を大きく損なうことは確かです。

これらの症状の軽減に徹底的に取り組むことが僕たちに求められることも、また明らかです。
by petclinico | 2012-10-29 21:54 | 緩和ケア | Comments(0)